2010年5月25日火曜日
第6週 アイディア展開と詳細スケッチ発表
今週は「アイディア展開と詳細スケッチ発表」でした。
前半はSONYから森さんに来ていただき、SONY DESIGNの業務内容やインタラクションについて講演していただきました。
まずSONYの業務内容とデザインの仕事について説明をしていただきました。
・ソニー系には6つのグループがある。(家電、ゲーム、映像、音楽、携帯、金融)
よく目にするロゴから一般的にはあまり馴染みのないロゴもある。
[Sony Design Philosophy]
1.Originality「原型をつくる」
2.Lifestyle「ライフスタイルをつくる」
3.Functionality「機能美をつくる」
4.Usability「使いやすさをつくる」
現在市場に出ている製品から、プロフェッショナル向けの製品などSONYの業務内容は様々。
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ここから森さんが実際に関わったインタラクションの事例の説明をしていただきました。
「Synthesizer」物理的なUIとGUIの融合
ディスプレイに表示されるGUIと透明なツマミによるアナログな操作。この二つのアクションで操作する。動きを規制することで、ある種の使いさすさが生まれている。クリアのツマミとディスプレイのイルミネーションのコントラストが視覚的にも美しい。
「Eco TV with Face Recognition」顔認識センサー機能を利用したTVのデザイン
顔認識を利用しユーザーが見ていない時は自動的に画面をOFFの状態にできる。(例:テレビの前で本を読んでる時。居眠り。)再びユーザーがテレビを見出すと画面がONになる。
さらに子供の顔も感知し、子供向けコンテンツを表示したり、画面に近づき過ぎていると画面がボケて注意を促す機能もある。
単純に見ている時だけONにすることで消費電力を抑えることができる。
このプロジェクトは森さんが関わった案件の中で発売までいった珍しい例の一つである。現在電気店で購入可能とのこと。
「IP Music Player」インタラクションから機器の形態をつくる
通常のアプローチとは反対に行いたい操作やインタラクションからプロダクトの形状を考えるという事例。
・「平面に置かれたファイルをのぞく」
テーブルにファイルが並べてあるイメージで機器を動かして操作する。
・「能動的な偶然」
曲名などの細かい情報は表示されず、ジャンルなどの大きな情報だけが表示。棒を機器に刺す事で選択。=偶然性、能動的(この選択方法もデザインの大きなポイントになっている。)
この他にもたくさんの事例を紹介していただきました。
[今回の講演の感想:TA石田]
モノをつくる時、既存のデザインや製品に目が行きがちだが多角度からの視点でモノを見る事の重要性を改めて感じました。スマートフォンやipadは四角形など形は単純ですが、あれらはマルチ端末として形状が四角がベストだから四角という形状になったんだと思います。モバイル端末=四角という考え方に固まず、柔軟に発想することが重要です。今回の話にあった「インタラクションから機器の形態をつくる」のように、「こんなアクションで操作したい」といった方向からデザインを考えると形にオリジナリティが出て魅力的なモノになると思います。さらに「音楽は水のようなモノ」という考え方なども非常に面白いと思いました。何かに結びつけて考えると発想しやすくなるし、人に伝えやすくなると思います。
今回の話は、この情報デザイン演習2を受講している学生にも、とても価値のあるものだと感じました。モノづくりは、モノの事だけ考えるのではなく、その使用者にとって魅力的な体験(experience)も提供できるように考えることが必要だと思います。さらにそれは作り手の責任だとも思います。最終発表に向けてユーザーにとって魅力的な提案とは何かと改めて考えてみてください。
最後に森さんが学生に向けて質問していました。「好きなデザイナーは?」
その質問の意図はBRUTUSの特集 30周年記念号『ポップカルチャーの教科書』の中でデザインの30年という特集で、インハウスデザイナーが一人も出て来ていなかったという所にあったようです。この特集の著者はフリーでデザインをやってる方が近年のデザインを代表してきたと考えたかも知れませんが、企業の中でもオリジナリティのある考えを持っていればすばらしいデザインを生み出すことは可能だと今回の話を聞いて思いました。
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後半は各班で話し合い。
内容:前回の発表での意見を反映したアイディア展開やペーパープロトタイプ、詳細スケッチの発表
人に伝えることで自分の考えもより深まり、人から意見を聞くことで新たな考え方が可能になる。やはり話す事は重要。
次週6月1日
「コンンセプト発表」
プロダクトの理解
最終発表に向けて
課題:
①ユーザーにとって5つの提供価値
②情報プロダクトの5つの特徴
③シーンスケッチ
④プロダクトのスケッチ
⑤プロダクトのレンダリング(イラレ、CG)
以上をレポートで提出(紙で出力)
(石田)
2010年5月18日火曜日
第5週 プロダクト中間発表
今週はプロダクトの中間発表でした。
企業側のコメンテーターとして日立の方に来ていただきました。
一人2分間での発表。
[発表内容]
・フォトダイアリーやインタビューなどからの気づき
・ペルソナの詳細
・ユーザーの本質的要求
・サービスシナリオ
・アクティビティシナリオ
・プロダクトのシーンスケッチ
・ペーパープロトタイプetc...
[教員のアドバイスの一例]
「目的を明確にする。」
「インターフェースの視覚的な面白さを追求してみて。」
「コンセプトはいいが出したアイディアが少ない。」
「もっとユーザー観察の結果をデザインに活かしてほしい。」
「○○を楽しむ→どうやって楽しむのか?」
「ユーザーにとっての必要性は?」
「このプロダクトを使っている状況は?」
「既存の製品の形にとらわれず自由に発想してほしい。」
(課題サポート系、ノート系の提案の学生へ)
「課題に対して思考錯誤する。これも課題や授業の意義ではないか?」
「学生はそういうものにお金をかけない。」
(テーマBの学生へ)
「お年寄りが日常的にどんな行動をとっているか調べてみて。」例:モノをすぐあげたがる。
「若い自分には気づかない問題があるから考えてみて。」
[指導教員の総評]
山崎「みんな意外とプレゼンがうまい。時間内に終わるのはすごいよね。
①なぜ?という気づきが浅い人がいる。言われてみれば・・・のように一般常識ではないこと。観察やインタビューから得る。なるほどという共感を得るもの。
②context いつ、誰が、どこでから形を考える。そうじゃないと丸や四角の普通な形になってしまう。
③液晶のディスプレイ=四角という既存の概念で考えない。
④使い方のステップ
以上の4つを自分にしかないオリジナリティのあるデザインにする為に使う。」
中本「気づき、いい気づきをしてるのに形に落とすと平凡になってしまっていた。気づきと形をつくる行程を往復してみて」
日立の方「3年生なのにプレゼンうまい。HCDは近年、企業でも使うからこの授業を大切にして」
TA石田
「自分のデザインのオリジナリティはどこにあるか?もう一度考えてみてください。
達成させたい目的に対してこの形状でいいかをもう一度見直してみてください。
予定管理や栄養管理、授業の管理などが多かった気がします。管理系のデザインは情報の入力方法や情報を引き出す方法を改めて考えてみてください。」
今週の内容を含めて
次週の「アイディア展開と詳細スケッチ発表」に備える。
次週:前半SONYの方が来てくれる。後半今回のアドバイスを受け軌道修正する。
(石田)
企業側のコメンテーターとして日立の方に来ていただきました。
一人2分間での発表。
[発表内容]
・フォトダイアリーやインタビューなどからの気づき
・ペルソナの詳細
・ユーザーの本質的要求
・サービスシナリオ
・アクティビティシナリオ
・プロダクトのシーンスケッチ
・ペーパープロトタイプetc...
[教員のアドバイスの一例]
「目的を明確にする。」
「インターフェースの視覚的な面白さを追求してみて。」
「コンセプトはいいが出したアイディアが少ない。」
「もっとユーザー観察の結果をデザインに活かしてほしい。」
「○○を楽しむ→どうやって楽しむのか?」
「ユーザーにとっての必要性は?」
「このプロダクトを使っている状況は?」
「既存の製品の形にとらわれず自由に発想してほしい。」
(課題サポート系、ノート系の提案の学生へ)
「課題に対して思考錯誤する。これも課題や授業の意義ではないか?」
「学生はそういうものにお金をかけない。」
(テーマBの学生へ)
「お年寄りが日常的にどんな行動をとっているか調べてみて。」例:モノをすぐあげたがる。
「若い自分には気づかない問題があるから考えてみて。」
[指導教員の総評]
山崎「みんな意外とプレゼンがうまい。時間内に終わるのはすごいよね。
①なぜ?という気づきが浅い人がいる。言われてみれば・・・のように一般常識ではないこと。観察やインタビューから得る。なるほどという共感を得るもの。
②context いつ、誰が、どこでから形を考える。そうじゃないと丸や四角の普通な形になってしまう。
③液晶のディスプレイ=四角という既存の概念で考えない。
④使い方のステップ
以上の4つを自分にしかないオリジナリティのあるデザインにする為に使う。」
中本「気づき、いい気づきをしてるのに形に落とすと平凡になってしまっていた。気づきと形をつくる行程を往復してみて」
日立の方「3年生なのにプレゼンうまい。HCDは近年、企業でも使うからこの授業を大切にして」
TA石田
「自分のデザインのオリジナリティはどこにあるか?もう一度考えてみてください。
達成させたい目的に対してこの形状でいいかをもう一度見直してみてください。
予定管理や栄養管理、授業の管理などが多かった気がします。管理系のデザインは情報の入力方法や情報を引き出す方法を改めて考えてみてください。」
今週の内容を含めて
次週の「アイディア展開と詳細スケッチ発表」に備える。
次週:前半SONYの方が来てくれる。後半今回のアドバイスを受け軌道修正する。
(石田)
2010年5月17日月曜日
第4週 シーンスケッチ
・シーンスケッチのチェック。
自分のデザインが使用されるシーンを他者に伝えるため使用シーンをスケッチで描く。
・各グループでスケッチについての意見交換。
自分のスケッチを見せながら、自分の気づき、デザインのポイントなどを発表。
発表を聞いた人は、気づいた点やアドバイスをポストイットに書いて渡す。
・担当教員のチェック、アドバイス。
担当教員の山崎、中本(後半からTAの石田、三丸も)に自分のスケッチをチェックしてもらいアドバイスを受ける。
・具体的なアドバイス内容
「ユーザーにとって魅力的で新規性の高い提案であるか?」
「ユーザーの本質的価値に合った提案であるか?」
「現状で解決できる問題ではないか?」
(例:iphoneのアプリケーションで解決できないか?)
「このシーンにおいて形状、インタフェースのデザインはこの形がベストか?」
「デザインにオリジナリティがあるか?」
(以上は中本、石田のアドバイスの一例)
アドバイスを受け次週の発表に備えてデザインのブラッシュアップを行う。
(石田)
ペルソナ(仮想ユーザー)はフォーマット通り作成できていて、次の段階の想定シーンも前回の授業で行ったフォトダイアリーなどからユーザーが”何を求めているのか、何に困っているのか”を抽出できている人も多かったですが、それをどう解決するかのアイディア出しで主観的な考えになっていて、いまひとつの提案になっている人がほとんどだったと思います。
アイディアは現実的な便利さを追求しただ困らなくするための提案ではなく、そのアイディアを利用することによってユーザーがさらにうれしい体験ができるような提案を目指してほしいと思いました。
また、その体験も個人で完結するのではなく、ユーザーの周りの人も巻き込めるような展開力があるとさらに魅了的な提案になると思います。
アイディア展開のポイントとして、山崎先生と三丸(TA)が回っていたグループに行っていたアドバイスは以下のようなことを中心にしてました。
■マイナスの問題点を解決することだけを考えず、ユーザーが普段無意識に行っていることのに着目し、それをユーザーの生活のなかで楽しい・うれしい体験に変えられるような提案を考えてみる。
■小さなプラスをさらに大きなプラスに変えられるようなアイディア。
■提案のアプローチを考えるときに、自分達が普段から使っている電子機器(ケイタイ・ゲーム)などを基準に考えるのではなく、ユーザーのこれまでの人生も考え・ユーザーとモノの関わり方・小さいときの遊び・習慣などを考慮し、どのようなアプローチをすることによってユーザーがその提案を受け入れやすさが変わってくる。
■アイディアを出す前にユーザーの問題点などを明確にし、整理してから提案を考える。アイディア先行のプロセスにならないようにユーザーの本質的価値を見極め、それにあったアイディアをかんがえること。
■アイディアは頭のなかだけで考えるのではなくスケッチなどに描き、視覚化することによって新しい発見をみつけられることがある。スケッチはうまくなくてもさほど問題ではないので、手も動かすこと。
■まだ初期段階のアイディア出しなので、1つのアイディアで納得せずにできるだけたくさんのアイディアをだすこと。ボツになった案ものちのちアイディア展開に困ったときに助けになるかもしれません。
(三丸)
自分のデザインが使用されるシーンを他者に伝えるため使用シーンをスケッチで描く。
・各グループでスケッチについての意見交換。
自分のスケッチを見せながら、自分の気づき、デザインのポイントなどを発表。
発表を聞いた人は、気づいた点やアドバイスをポストイットに書いて渡す。
・担当教員のチェック、アドバイス。
担当教員の山崎、中本(後半からTAの石田、三丸も)に自分のスケッチをチェックしてもらいアドバイスを受ける。
・具体的なアドバイス内容
「ユーザーにとって魅力的で新規性の高い提案であるか?」
「ユーザーの本質的価値に合った提案であるか?」
「現状で解決できる問題ではないか?」
(例:iphoneのアプリケーションで解決できないか?)
「このシーンにおいて形状、インタフェースのデザインはこの形がベストか?」
「デザインにオリジナリティがあるか?」
(以上は中本、石田のアドバイスの一例)
アドバイスを受け次週の発表に備えてデザインのブラッシュアップを行う。
(石田)
ペルソナ(仮想ユーザー)はフォーマット通り作成できていて、次の段階の想定シーンも前回の授業で行ったフォトダイアリーなどからユーザーが”何を求めているのか、何に困っているのか”を抽出できている人も多かったですが、それをどう解決するかのアイディア出しで主観的な考えになっていて、いまひとつの提案になっている人がほとんどだったと思います。
アイディアは現実的な便利さを追求しただ困らなくするための提案ではなく、そのアイディアを利用することによってユーザーがさらにうれしい体験ができるような提案を目指してほしいと思いました。
また、その体験も個人で完結するのではなく、ユーザーの周りの人も巻き込めるような展開力があるとさらに魅了的な提案になると思います。
アイディア展開のポイントとして、山崎先生と三丸(TA)が回っていたグループに行っていたアドバイスは以下のようなことを中心にしてました。
■マイナスの問題点を解決することだけを考えず、ユーザーが普段無意識に行っていることのに着目し、それをユーザーの生活のなかで楽しい・うれしい体験に変えられるような提案を考えてみる。
■小さなプラスをさらに大きなプラスに変えられるようなアイディア。
■提案のアプローチを考えるときに、自分達が普段から使っている電子機器(ケイタイ・ゲーム)などを基準に考えるのではなく、ユーザーのこれまでの人生も考え・ユーザーとモノの関わり方・小さいときの遊び・習慣などを考慮し、どのようなアプローチをすることによってユーザーがその提案を受け入れやすさが変わってくる。
■アイディアを出す前にユーザーの問題点などを明確にし、整理してから提案を考える。アイディア先行のプロセスにならないようにユーザーの本質的価値を見極め、それにあったアイディアをかんがえること。
■アイディアは頭のなかだけで考えるのではなくスケッチなどに描き、視覚化することによって新しい発見をみつけられることがある。スケッチはうまくなくてもさほど問題ではないので、手も動かすこと。
■まだ初期段階のアイディア出しなので、1つのアイディアで納得せずにできるだけたくさんのアイディアをだすこと。ボツになった案ものちのちアイディア展開に困ったときに助けになるかもしれません。
(三丸)
第3週目までの内容
このブログは情報デザイン論及び演習2の毎週の授業の記録のためのブログです。
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第1週 ガイダンス 授業の目的、テーマを発表
今期のテーマは
A 学生にとって「魅力的な学生生活」のためのデザイン
B シニアにとって「魅力的なショッピングの体験」のためのデザイン
以上の二つである。
各テーマごとにグループを作り授業を進める。
協力企業
情報インターフェース:富士通デザイン(株)様
富士通デザインのデザイナーさんに中間発表及び最終作品発表に参加してもらう。
前年度の作品発表の様子
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第2週 授業開始
本格的に授業スタート
・グループ決め
・個々のテーマ設定
・次週までの課題「フォトダイアリー、フォトエッセイ」の説明
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第3週 ユーザーの本質的価値の抽出
・フォトダイアリーのチェック。
・グループごとに話し合い。
・ユーザーの本質的価値を抽出
ユーザーの事実
↓
ユーザーの行動目標
↓
ユーザーの本質的要求
以上の3段階で本質的価値を抽出
・ペルソナ手法やシナリオ法などデザイン手法について
(石田)
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第1週 ガイダンス 授業の目的、テーマを発表
今期のテーマは
A 学生にとって「魅力的な学生生活」のためのデザイン
B シニアにとって「魅力的なショッピングの体験」のためのデザイン
以上の二つである。
各テーマごとにグループを作り授業を進める。
協力企業
情報インターフェース:富士通デザイン(株)様
富士通デザインのデザイナーさんに中間発表及び最終作品発表に参加してもらう。
前年度の作品発表の様子
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第2週 授業開始
本格的に授業スタート
・グループ決め
・個々のテーマ設定
・次週までの課題「フォトダイアリー、フォトエッセイ」の説明
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第3週 ユーザーの本質的価値の抽出
・フォトダイアリーのチェック。
・グループごとに話し合い。
・ユーザーの本質的価値を抽出
ユーザーの事実
↓
ユーザーの行動目標
↓
ユーザーの本質的要求
以上の3段階で本質的価値を抽出
・ペルソナ手法やシナリオ法などデザイン手法について
(石田)
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